ICL手術

ICL手術とは

ICL手術とは

ICLとは、眼内コンタクトレンズ治療に用いられる「インプランタブルコンタクトレンズ」を略した呼び方で、近視・遠視および乱視矯正を目的にSTAAR surgical社によって1994年に開発された後房型の有水晶体眼内レンズになります。2003年~2004年に臨床治験が行われ、その良好な臨床成績から2010年に国内において厚生労働省の認可を得た唯一の有水晶体眼内レンズです。
角膜を削らずに、レンズを目の中に入れることで視力を矯正する治療法で、矯正できる度数の幅も広く強い近視や乱視の方にも適しています。レンズは虹彩の後ろ側と水晶体の前面の間に固定しますので、外から見ても分かりません。
ICL治療は、レンズを取り外せば元に戻すことが出来る安心の治療法です。将来白内障になった場合も通常通り白内障手術を行うことができます。

ICLの特徴

ICLのメリットとレーシックとの比較、リスクについて

ICLのメリット

ICLのメリット

日帰り手術 回復も早い

両眼で約20分の日帰り手術です。縫合や抜糸の必要がなく、傷口は自然に治癒します。

眼に優しい生体適合の素材

眼に優しい生体適合の素材

無色透明のソフトコンタクトレンズのような素材で、有害な紫外線をカットする機能もあります。半永久的に使用可能です。

手術後がずっとお手入れ不要

手術後がずっとお手入れ不要

眼の中のレンズはくもったり汚れたり、ゴロつくことがないので、日々のお手入れや、メンテナンスは不要です。

強度近視に対応

強度近視に対応

レーシックの適応にならない強度の近視(約-18Dまで)・遠視・乱視も対応可能。

ドライアイになりにくい

ドライアイになりにくい

切開創が小さいため、ドライアイの原因にはなりません。(元々ドライアイの人は症状が改善することはありません。)

ハロー・グレアが起こりにくい

ハロー・グレアが起こりにくい

夜間や暗いところで光を見たときに、ハロー(光の周辺に輪がかかって見えること)やグレア(光が長く伸びてまぶしく見えること)が起こりにくい。

元に戻せる安心

元に戻せる安心

角膜を削らないので、万一、不具合が生じた時にレンズを取り外して元の状態に戻すことができます。将来、眼の病気になった時、治療の選択肢が狭くなるようなことはありません。

ICLとレーシックとの比較

  ICL レーシック
特長
  • 強度の近視、遠視、乱視も矯正可
  • 取り外して元に戻せる
  • ドライアイになりにくい
  • ハロー・グレアが起こりにくい
  • 薄い角膜の方にも対応
  • 近視、遠視、乱視も矯正可
  • 視力回復スピードが早い
  • 広く普及しているため費用が安い
矯正方法 角膜に切れ目を入れて眼内レンズを挿入 レーザーでフラップを作成し、エキシマレーザーを照射して角膜を削る
角膜の形状 変わらない 変わる
可逆性 あり なし
手術時間 両眼おおよそ20~30分 両眼おおよそ10~15分
近視 ◎(強度近視対応可能)
遠視
乱視
老眼 × ×
回復 翌日 当日

リスクについて

リスクについて

ハロー・グレア

夜間や暗いところで光を見たときに、ハロー(光の周辺に輪がかかって見えること)やグレア(光が長く伸びてまぶしく見えること)の症状を感じる場合がありますが、ほとんどの方が数か月で解消します。

白内障

ICLと水晶体が接触した場合や、房水の流れが悪くなることによる代謝異常によって、水晶体の混濁(白内障)をきたすことがあります。視機能に影響する場合は、ICLを取り出し、白内障手術を行います。
その際は新たに眼内レンズを入れますので、またよい視力を取り戻すことができます。レンズのサイズが小さく白内障を引き起こすおそれがある場合は、レンズを交換します。以前のレンズでは長期的にみると2~4%発生していましたが、新しいホールICLレンズ(EVO ICL)になってからはその発生率は低下しています。

眼圧上昇

手術直後は若干の眼圧上昇をきたします。通常は目薬や飲み薬、時には点滴などをして眼圧を下げてから帰宅していただきます。稀に、眼圧が下がらない場合はレンズを取り出したり、レンズサイズが大きい場合には、適切なサイズのレンズに入れ替えることもあります。

角膜内皮細胞障害

眼科手術においては起こりうる合併症ですが、ICLの術後はわずかな障害に留まっています。

度数のずれ

術前に予測した屈折度数とズレが生じ、期待する視力より若干劣る場合があります。

感染症

ICL手術ではレンズを挿入するため角膜に3mm程度の創口を作ります。
術後しばらくの間はその傷口が弱いため目を強くぶつけたり、こすったりすると傷口が開き、細菌が侵入して、感染症を起こす可能性があります。

ICL治療の概要

手術前

ICL治療の手術までの流れ

ICL治療の手術までの流れ

手術前の注意事項

第一回術前検査から手術前の期間はコンタクトレンズ装用を中止していただきます。
コンタクトレンズを使用中の場合、角膜が本来の形からカーブが変わっていたり、角膜がむくんで分厚くなっている場合があり、正確な検査データがとれません。手術後の結果にも影響するため、装用中止期間をお守りください。

  • ハードコンタクトレンズ:4週間
  • ソフトコンタクトレンズ:2週間

術前(精密)検査についての注意事項

  • ご自分で車を運転してのご帰宅はできません。
    術前検査で用いる調節麻痺剤の影響が1~2日継続します。
    その間はまぶしくなったり、かすみをかんじたり、手元の文字がぼやける可能性があります。
  • 術前検査には3~4時間を要しますので、時間にゆとりをもってご来院ください。

手術日

手術の流れと手順

STEP1
STEP1 瞳孔を拡大させ、点眼麻酔をして、角膜の縁を約3mm切開します。

瞳孔を拡大させ、点眼麻酔をして、角膜の縁を約3mm切開します。

STEP2
STEP2 切開した部分からレンズを目の中に入れます。

切開した部分からレンズを目の中に入れます。

STEP3
  • STEP3 レンズを虹彩と水晶体の間に固定します。同行を縮小させ終了です。
  • STEP3 レンズを虹彩と水晶体の間に固定します。同行を縮小させ終了です。

レンズを虹彩と水晶体の間に固定します。瞳孔を縮小させ終了です。

点眼麻酔で痛みはほとんどなく※片目、約10分程度(基本的には両眼同日手術)の日帰り手術です。
※感じ方には個人差があります。

手術後

手術後の見え方

手術が終わった直後から、ある程度見えています。数時間休むとだいぶ見えてきますが、当日は70%くらいの見え方で、1日経つと90~100%くらいの見え方になり、概ねデスクワークは可能です。

手術後の注意事項

手術が無事終了しても、しばらく目には小さな傷が残っています。
術後は小さな傷から感染がおこらないようにすることが最も重要になります。
手術した目が順調に回復していくように次のことを守ってください。

  • 手術した目を強くぶつけたり、転ばないようにしてください。
  • 手術当日は見え方が不安定なので、階段など特に気をつけてください。
  • 手術した目を強くこすらないでください。

手術当日の入浴はできません。
また、手術後一定の期間、日常生活の以下のような項目について制限があります。
詳しくは医師の指示に従ってください。

  • 洗髪・洗顔
  • 運転
  • プール
  • シャワー・入浴
  • 飲酒・たばこ
  • 運動
  • 化粧・アイメイク

日常生活の開始時期の目安は以下のようになります。
ただし、術後経過において個人差がありますので、担当医に確認の上開始するようにしてください。

  清潔 生活
手術当日 術前の入浴は可。術後の入浴は禁止  
手術翌日 顔は濡れタオルで軽く拭く程度
(まぶたを圧迫しないよう気をつけて)
歯磨き・髭剃り・体を拭く
仕事(デスクワーク)
術後2日目 翌日診察後からお風呂・シャワー
(首から下のみ)
 
術後3日目 美容室にてシャンプー  
術後1週間目 洗顔・化粧・シャンプー・毛染め・パーマ 車の運転・旅行・温泉
術後2週間目 清潔面での制限はなし 農業・家庭菜園・肉体労働・スポーツ
術後1ヶ月目   水泳(プール・海)

術後の通院期間

  • 術後の経過にもよりますが、通常は、手術翌日、1週、2週、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年後。
  • 1年以降は1年に1回定期検査が必要です。
  • 急激な視力低下、多量なメヤニ、強い充血や痛みなどの症状がでた場合は、定期受診日を待たずに受診して下さい。

ICLの費用について

大切な目を扱う、みなさまの一生を左右する手術です。
眼内コンタクトレンズ(ICL)を受ける場合は、料金だけを比較して病院を選ぶのではなく、本当に信頼できる医療機関をお選びください。

両眼 60万円(乱視用70万円)

※手術当日から手術後1週目までの検査費用は料金に含まれます。
手術前検査代は別途20,000円(税込)です。

ICL手術は「自由診療」です。
厚生労働省に正式に認可された治療法ですが、健康保険は適用されません。

ただし、保険会社による医療保険は適用される場合がありますので、医療保険に加入されている方は、保険会社にお問い合わせください。

また、ICLの費用は、医療費控除の対象となります。
詳しくは国税庁のサイトをご覧ください。

お支払い方法

  1. 現金
  2. クレジットカード
各種クレジットカード

ICL治療についてのよくある質問

よくある質問

適応年齢、適応視力は?

適応年齢は20~45歳の方で、適応視力は定めていませんが、近視、遠視、乱視の方が適応です。

手術は鹿児島、都城どちらでもできますか?

どちらでもできます。

老眼にも適応がありますか?

適応はありません。

適応外もありますか?

白内障やその他、眼疾患がある方は適応外になる場合があります。
また、妊娠中、授乳中は視力が不安定になることがありますので、基本的には手術はお勧めしておりません。

将来、白内障手術が必要になっても大丈夫ですか?

将来、白内障になった場合も通常の白内障手術を行うことができます。

手術の合併症で緑内障などになるリスクはありますか?

ICLを挿入することで長期的に眼圧が上昇することはほとんどありませんが、近視が強いと緑内障を発症する可能性はあります。その場合には、最善の治療を行います。

ICL適応検査にかかる時間はどのくらいですか?

院内の混み具合や個人差もありますが、おおよそ3時間程度を目安にして下さい。

ICL適応検査にかかる費用は?

適応検査当日の費用はおおよそ3,000円ほどです。

途中で視力低下した時は再手術できるのか?

状態にもよりますが、基本的には可能です。

都合で手術をキャンセルしたい時は?

何らかの理由で手術をキャンセルする場合には、予約センターへご連絡下さい。
なお、ICLレンズ注文後はキャンセル料が発生致しますので、ご了承下さい。

術後は他眼科でも診てもらえますか?

ICLを行っている病院であれば定期検査は可能です。
その際の費用等は、病院によって異なりますので、各病院にお尋ね下さい。

レンズを入れていることを他人に気が付かれますか?

虹彩の後ろに挿入するので、外からは見えません。